G軍曹の書斎

小説です。

第二話

時刻は12時となった。 鳩ならぬニワトリ時計が騒がしく時刻を告げる。 「ブルーアイズさん、まだだいぶ時間ありますよ・・・。食べ放題にも行けたんじゃないですか・・・」 不満そうな顔をしてそうボヤくのはリニアである。 青髪と金髪のコンビはちょうど…

お久しぶりです。

どうも、お久しぶりです。Gです。 一体何人方がこのブログを見てくださっているのか、存在しないのではないか、そんな思いを抱きながら久しぶりに文章を打ち込んでおります。 さて、このブログでは以前「Remove」とか何とかいう小説を載せておりました。 こ…

第一話「ハルクード共和国」

その国、ハルクード共和国はディザスター地方北部に位置する科学が発達した国家である。沿岸部にあり、交通などの整備が整っているため、大企業の本社や国際機関の支部が多く存在する。また、この国はディザスター地方竜巻多発帯に属する国だ。故に竜巻はお…

二章 「プロローグ」

ディザスター地方上空に一機の飛行機が飛んでいた。機体は黒く塗装されており、エンジンに消音処理をしてあるのか静かに飛行している。時折、雲の間から顔を覗かせる月の光を飛行機は怪しげに反射する。『あと5分程でポイントに到達します』機体の中でスピー…

ディザスター王国最終章 「箱庭のお姫様」

「ここです」王妃はそう言うと、木の扉を前に押した。少し大きめな木の扉が音を立てながら開く。ドアの向こうには、広い空間が広がっていた。予想以上よりも遥かに物が少ない、というか国庫にしては明らかに物が少ない。「国宝などは美術館に保存してありま…

「ディザスター王国⑩ 魔女の血統」

彼はおもむろにドアを叩いた。コンコン、という音が廊下に響く。「どうぞ、入りなさい」低いが、どこか優しさを感じる声が中から聞こえた。「失礼します」彼はそう言うと、ドアを開けて中に入った。ドアの向こうには広い空間が広がっていた。ゲームで目にす…

「ディザスター王国 ⑨」

あの事件から一夜が明けた。ディザスター王国にいつもと変わらない朝がやってくる。外から聞こえてくた人々の声でブルーアイズは目を覚ました。時刻は午後10時。傍らではリニアがスヤスヤと寝息を立てている。一瞬その状況に違和感を覚えたブルーアイズだっ…

「影 (ディザスター王国 ⑧) 」

「司祭様、こんな感じでいいですか?」とあるホテルの一室でスナイパーライフル片手に男は言った。高級ホテルにいたあの男である(4.5話参照)。その後ろには、ワナワナと震える女性がいた。その名は「アリエル」という。「お、お前...!!誰が殺せって言った…

「ディザスター王国 ⑦」

リニアがマントの男と戦っている頃、ブルーアイズは城の前に一人立っていた。一旦リニアと二手に分かれて国境付近に向かったブルーアイズだったが、特に何も無かったので戻ってきてしまったのだった。かれこれ30分くらいは経っただろうか...、ブルーアイズは…

「ディザスター王国 ⑥」

赤いものが散った、というのは正確な表現ではない。実際には赤い「火花」が散ったのである。それは紛れもなく電気の異能力を持つリニアによるものだ。リニアは赤い電撃をステッキの側面に当て軌道をそらした隙に横へ飛んで攻撃を回避する。身を翻しつつ、銃…

「ディザスター王国 ⑤」

すがすがしいほど美しい夜空が広がるディザスター王国。静まり返った街並に、今日は人影があった。リニアである。30分ほど前にブルーアイズと二手に別れた後、リニアは城の正面へ向かっていた。ちなみにブルーアイズは城の裏手にまわっている。完全に夜にな…

「ディザスター王国 4.5話②」

ディザスター王国のとある高級ホテルの一室に一人の女がいた。堂々としたその美しい風貌は女王を連想するほどである。そんな女は今、城下町を見渡せる程大きい窓ガラスの前でワインを片手に座っていた。「あー......暇暇ぁ〜」女は着ているバスローブをヒラ…

「ディザスター王国 4.5話①」

時刻は午後5時30分。お家大好きなディザスター国民はそろそろ家に帰る時間である。別にディザスター国民ではないリニアも宿へ戻ってきた。部屋に入るとブルーアイズがベットの上に座っていた。既に支度を終えているらしく、P.Pの画面を見つめている。リニア…

「ディザスター王国 ④」

ちょうどブルーアイズがG.G(ゲロガール)と出会った頃、リニアはベットの上で目を覚ました。抱きしめている枕は何故か破けており、中から羽が出ている状態だったがリニアはそれを気にせずベットから起き上がる。ふわぁぁ...とあくびを一つ。ボーッとする頭で…

「ディザスター王国③」

外に出るとさすがに昼間だけあって多くの人が市場やら店やらを行き来している。 市場でディザスター王国特産の「スターアップル」を見つけたブルーアイズはそれを買い、食べながら歩く。 さすが数少ない王政の国...といったところだろうか......。レンガを主…

「ディザスター王国 ②」

静まり返った街に一筋の光が差し込む。朝日だ。先ほどまで吹いていた陸風が止まる。凪である。物音ひとつしない早朝の街に一人の男が現れた。その男は黒いマントで体を包んでいる。 ''今だな...''男はそう言うとマントから手を出し何かを唱え始める。風が男…

「ディザスター王国 ①」

ここディザスター地方は、グラメリア、ボルケイ、ディザスター、ハルクードの4つの国からなる地方であり、国同士の結びつきが強く災害が多いことで有名だ。 この4つの国の真ん中にあり、中枢国でもあるディザスター王国は数少ない魔法の国である。魔女の血統…

プロローグ

200年にも渡る戦争が終わり、20年前の1月1日、全世界155カ国を対象とした「155カ国平和維持同盟」が結成された。文字通り、平和維持を目的とした同盟である。この同盟が成立するにあたり「司法」「治安維持(行政)」「立法」の3つの部門からなる国際組織「国…