G軍曹の書斎

小説です。

「ディザスター王国 ①」

ここディザスター地方は、グラメリア、ボルケイ、ディザスター、ハルクードの4つの国からなる地方であり、国同士の結びつきが強く災害が多いことで有名だ。

この4つの国の真ん中にあり、中枢国でもあるディザスター王国は数少ない魔法の国である。魔女の血統を持つ国で、軍隊や災害対策もレベルが高い。
また、この国は小さな国ながら、台風多発地帯、火山帯、地震多発地帯の全てに属しており、災害が多く、人々は災害の国=Disaster(ディザスター)と呼んでいた。それが今の国名に至るのである。
 
そんなこのディザスター地方に2日前、この国の隣国ボルスト共和国でテロ組織の一人が目撃された。
逃走中の国際指名手配犯である。
これを受けて国際警察は「Remove」の二人を派遣したのだったが...。
 
 
 
 
「にしてもよぉ...」
ディザスター王国とボルスト共和国の国境付近に佇む少年はそう言った。
彼の名前は「ブルーアイズ」、派遣された「Remove」の一人である。
「いくら火山帯だからってさぁ、こんなデカイ壁いらねぇだろ...」
そう言ってブルーアイズは壁を見上げる。
彼が言っている「デカイ壁」とは、ディザスターとボルストの国境であり、ディザスターを火山から守るための厚さ20m、高さ50mの巨大な壁のことである。
「凄いですね、これ全部石で出来てます...」
そうブルーアイズの傍らにいる少女は言った。枝で壁をつついている。
彼女は「リニア」(本名はリニア A  アンペアらしい)、同じく派遣された「Remove」である。
 
「それにしても派手に交戦してこれかぁ。怒られそうだな」
とブルーアイズ。
「怒られますね」
とリニア。
二人とも深刻そうな顔をしている。
 
 
 
今から30分前に彼らはターゲットと国境付近で交戦した。
相手は魔法使い。腕もなかなかのもので、壁に追い込んだのだが浮遊魔法で壁の向こうに逃げられてしまったのだった。
その際、民家三軒と舗装された道路を破壊してしまったのである。
物を壊して敵を逃がす。
笑えない話だ。
 
 
「しょうがない、やれるところまでやりますか」
暫く考えた後、ブルーアイズは言った。
彼の左手には30cmほどの石が握られている。
それを見たリニアはブルーアイズから5m程距離を取る。
「ちょっと悪いけど...!!」
彼がそう言った次の瞬間、石が消え、ものすごい爆発音が鳴り響いた。
正確にはものすごい速さで壁に飛んでいった石が爆発した、である。
砂埃が立ち込める中、ブルーアイズは一人服についた石の破片を払う。
 
 
「穴は開きました?」
リニアはブルーアイズに尋ねる。
爆風に少し飛ばされたらしい。スカートに砂がついている。
「ああ、開いたよ」
そう言うとブルーアイズは手を右から、左へ動かす。
そうすると強風が吹き、視界の埃を全て払っていく。
 
「ほらね」
彼はドヤ顔で壁を指差した。
そこには、先程はなかった1.7mほどの穴が空いている。
 
「行こうぜ!」
そういうと彼は先に行ってしまった。
リニアはやりすぎた感を一人感じていた。
「これで捕まえられなかったら本当に首ですよ...私達」
リニアが、ぼやく。
 
 
 
こうして二人はディザスター王国に入国(不法)したのだった。
 
 
 
 

 

 
 
*この物語はそめちめ(@sometime1209)の話と同じ世界の物語です。
今回は試しに挿絵いれてみたよ^_^
なんか文がおかしい気がしたよ←