G軍曹の書斎

小説です。

「ディザスター王国 4.5話①」

時刻は午後5時30分。
お家大好きなディザスター国民はそろそろ家に帰る時間である。
別にディザスター国民ではないリニアも宿へ戻ってきた。

部屋に入るとブルーアイズがベットの上に座っていた。
既に支度を終えているらしく、P.Pの画面を見つめている。
リニアが帰ったことに気づいたブルーアイズは左手を挙げて「おかえり」と言った。
しかし、その顔に昼間のような穏やかさはない。

「何かあったんですか?」
リニアはブルーアイズに聞く。
するとブルーアイズは画面から顔を上げると「面倒なことになった」とジェスチャーで表した(気がした)。
気になったリニアもP.Pのデータフォルダを開いてみる。
画面にずらりと並んだ未開封メール(資料)の中から今回の捜査資料を開いた。
データのサイズが小さいのか、メールは簡単に開く。

顔写真と共に詳細が表示される。
顔写真が増えてターゲットが増えたこと以外はあまり収穫は無かった。
(ま、確かに面倒なことになったなぁ......)
全てを読み終えるとリニアはP.Pをポケットにしまう。
自分のバッグを持って洗面所に入ったリニアは、一度スカートを脱ぎ、ナイフなどが付けられたベルトを太ももに巻いた。
「Remove」、とって部分にそう彫りこまれている拳銃を出すと幾つかのマガジンと一緒にポケットに放り込んだ。
簡単だがこれで準備は完了なのである。

洗面所を出るとブルーアイズは既に玄関に居た。
リニアが出てきたのを見たブルーアイズはドアを開け、外に出る。
それを追うようにリニアも外へ出た。
前の通りの人通りは少ない。あと30分もしたら完全に人がいなくなりそうだ。
ポケットに手を突っ込んでいるブルーアイズはリニアの方を向いた。
「めんどくさいけど、行きますか」
「アイアイサーッ!」
「仕事...だからな...?」
「イエッサー!!」
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緊張感のない同僚に多少不安を感じるブルーアイズ。


ほんのりと明るい空には金星の光が輝いていた。