G軍曹の書斎

小説です。

2014-01-01から1年間の記事一覧

第一話「ハルクード共和国」

その国、ハルクード共和国はディザスター地方北部に位置する科学が発達した国家である。沿岸部にあり、交通などの整備が整っているため、大企業の本社や国際機関の支部が多く存在する。また、この国はディザスター地方竜巻多発帯に属する国だ。故に竜巻はお…

二章 「プロローグ」

ディザスター地方上空に一機の飛行機が飛んでいた。機体は黒く塗装されており、エンジンに消音処理をしてあるのか静かに飛行している。時折、雲の間から顔を覗かせる月の光を飛行機は怪しげに反射する。『あと5分程でポイントに到達します』機体の中でスピー…

ディザスター王国最終章 「箱庭のお姫様」

「ここです」王妃はそう言うと、木の扉を前に押した。少し大きめな木の扉が音を立てながら開く。ドアの向こうには、広い空間が広がっていた。予想以上よりも遥かに物が少ない、というか国庫にしては明らかに物が少ない。「国宝などは美術館に保存してありま…

「ディザスター王国⑩ 魔女の血統」

彼はおもむろにドアを叩いた。コンコン、という音が廊下に響く。「どうぞ、入りなさい」低いが、どこか優しさを感じる声が中から聞こえた。「失礼します」彼はそう言うと、ドアを開けて中に入った。ドアの向こうには広い空間が広がっていた。ゲームで目にす…

「ディザスター王国 ⑨」

あの事件から一夜が明けた。ディザスター王国にいつもと変わらない朝がやってくる。外から聞こえてくた人々の声でブルーアイズは目を覚ました。時刻は午後10時。傍らではリニアがスヤスヤと寝息を立てている。一瞬その状況に違和感を覚えたブルーアイズだっ…